内視鏡の挿入管にもフレキが使われている?

内視鏡の挿入管にはステンレスコイルチューブが使われています。

<博士>
オッホン。拙者も毎年胃カメラ飲んでいるが、あの黒いチューブ(挿入管)にも金属フレキが使われておるのを知っているかのう?日本のハイテク技術が満載の内視鏡に実はステンレスコイルチューブが重要な役割を果たしておるのじゃ。きょうはそのコイルチューブについて説明しよう。
しかし、初期の胃カメラは、信じ難いことに直管で曲がらなかったそうじゃ!

内視鏡の挿入管はどのような構造になっていますか?

医療用内視鏡の挿入管には、中に照明、カメラ、洗浄液、鉗子(組織採取の器具)などを通すための管がギッシリ詰まっています。そのため挿入管はとても薄い(肉薄な)ものになっています。
その構造は、内側から
①ステンレスコイルチューブ:ステンレスの板をパイプ状に巻いたもの。挿入管の骨になっていて外圧に強く、曲げた時に折れない(真円を保つ)役割を果たしています。
②ブレード:細いワイヤーを編み込むようにしてコイルチューブに被せているもの。外圧や引張りに対する強度を持たせる重要な役割を持っています。
③カバー:黒色の樹脂を被覆し、挿入長さを示す目盛りが印刷されたもの。滑らかにすることはもちろん、防水性や、適度な反発を持たせて挿入しやすくする役割があります。
④トップコート:無色のコーティング剤。人体に影響がなく、蒸気滅菌の高温にも耐えられるもの。
の構成で成り立っています。

ステンレスのコイルチューブはどのようなものですか?

ステンレスコイルチューブはモノコイルチューブとも呼ばれ、先述しましたようにステンレスの薄い板材(テープ材)をラセン状に巻いてチューブのようにしたものです。
材質はSUS304CSP-Hを使うことが多く、板厚は0.2~0.3mm、板幅は2mm~3mmが一般的です。
鼻から入れる内視鏡はさらに細いため、さらに薄い材料を用います。
巻き方向も右巻き、左巻きの2種類あります。10mm前後の太い径になりますと、右巻きのコイルの上に左巻きのコイルを被せるという、ダブルコイルチューブを使用することが多いです。この場合は回転による捻じれに強くなります。
コイルチューブは、巻いていくときに必ずスキ間ができます。このスキ間(ピッチ)が一定であるかバラツキがあるかで挿入管が均一にしなやかに曲がるかどうか変わってきます。メーカーの技術が問われるところです。また、コイルチューブは単体では非常に弱く、伸びたり折れたりしやすいものなので慎重に扱う必要があります。そのため、ブレード被覆する前にシリコンチューブなどを中芯として挿入する必要があります。樹脂カバーまで出来上がった時点で中芯は取り外されます。
その後のブレード、カバー、コーティングが施されて内視鏡挿入管になりますが、これらの手法は、書ききれないので次の機会に解説したいと思います。

ワイヤーを動かすためのスプリングチューブ

内視鏡の挿入管に使用されるフレキについて、もう一つ重要な役割を果たしているのがスプリングチューブです。
内視鏡の先端がくねくねと小さく曲がるのは、その曲がる部分が首の骨のように数個の関節が縦に並んでいて、それに細いワイヤーを付けて、手元で引っ張ると首の骨が曲がるような仕組みになっています。このワイヤーを四方に1本づつ4本使うことでいろいろな方向に曲がることができるのです。
このワイヤーを細くて長いフレキ管の中に通すことで、ワイヤーを自在に引っ張ることができます。つまりこのフレキ管はワイヤーガイドとしての役割を果たしています。フレキ管はステンレスの細い線材をバネのように巻いていくことから、スプリングチューブと呼ばれています。
線材も0.1~0.2mmのものを使用し、スプリングの直径も0.8mm~2.0mmと非常に細くなっています。これを4条巻き、5条巻きで1m以上巻いていきますので製造には高度な技術が必要になります。

最先端の極細スプリングチューブ

最先端の医療技術にもフレキシブルチューブは使用されてます。
IVUS(アイバス)と呼ばれる血管内超音波診断装置の超音波プローブは血管の断面やプラークを解析するためカテーテル内で高速回転しています。これを回転させるワイヤーをガイドするワイヤーガイドとして、スプリングチューブが使われるようになっています。
これは、ワイヤーの回転の影響を受けないようにするため、先述のスプリングチューブを左巻きで製作しその上に同じように右巻きで巻くというダブルスプリング(2層)構造になっています。トルクが強い場合には3層にすることもあります。
なお且つ、外径を1mm以下に抑え伸縮も厳しくコントロールされているため、非常に高度な技術が必要とされるチューブになっています。
しかしこれにより、血管内治療の際のステントのサイズや位置を的確に判断することができるのです。

体内医療器具はさらに小型化、そしてディスポへ

これからの医療は、ますます患者への負担を軽減させていくことが求められていくことから、医療器具も小型化され、それに伴って当然細いチューブが必要とされてきます。この流れは速く、私たちメーカーの製造方法、製造機械も近いうちに一変してしまうかもしれません。
また、感染のリスクを低減するためディスポと呼ばれる使い捨て(ディスポーザブル)製品へのニーズが高まっています。(過剰なディスポからまた元に戻る可能性もありますが・・・)
つまり使い捨て前提の機能と価格が求められているということです。

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