チョコ停とクーラントノズルの「見えにくい関係」
チョコ停の原因例とクーラントノズルの関係
工作機械を操作していると必ず発生してしまうのが、チョコ停(ちょこっと停止)
すぐに復旧してしまいますが、1日数回のチョコ停が、知らないうちに企業収益の圧迫をしている
なんてこともあります。
特にクーラントノズルの位置ずれは、それ自体では異常発生アラームが鳴らず、機械も停止しません。
次々不良品が発生し、大惨事になることもあります。
チョコ停の原因例 クーラントノズルとの関係
工具破損・早期摩耗 ノズルの刃先が冷却できていない
切りくず詰まり クーラントが排出方向に当たっていない
センサー誤作動 ノズルの位置ずれでクーラントが飛散し、センサーが濡れる
加工異常(異音、ビビリ) クーラントが刃先に届かず切削抵抗が増加
ノズル落下・干渉 ノズルが振動やゆるみでずれて工具やワークに接触
よくあるチョコ停事例(ノズル起因)
事例①
ノズルがずれて切りくずが排出されず、ATC時に工具干渉で停止
・原因:クーラントが切りくずを押し出せず、残留
・結果:次の工具交換時に干渉しアラーム発生
事例②
自動ノズルのメモリ異常で刃先を狙えず、工具が焼き付き停止
・原因:ノズル位置設定ミス/プログラムバグ
・結果:切削熱で工具破損 → 加工中断
事例③
手動ノズルが緩んで飛び出し、ワークと干渉して非常停止
・原因:整備不良・点検不足
・結果:機会緊急停止、ノズル・ワーク破損
対策(チョコ停の未然防止)
対策内容 具体的施策
ノズル点検のルーチン化 シフトごとにノズル位置・固定状態をチェック
ノズル位置の可視化 位置決めマーク・写真・治具で再現性向上
クーラントの流量・圧力の監視 センサー導入や流量チェックシート活用
チョコ停分析 停止履歴から「クーラント」原因を抽出して見える化
ノズル自体の見直し 高耐久、高圧対応のノズルに更新
現場のヒント
チョコ停の記録に「クーラント関連」の選択肢がない場合、
ノズル起因の問題が見過ごされている可能性が高いです。
小さなずれでも、熱変位や切りくず処理の遅れが全体工程に影響するため、
予防点検・標準化作業が極めて重要です。